


結局のところ2025年の余市は過去で2番目に暑い年となりました。積算温度は2023年の1577℃に近い1565℃。ただ、当たり前ですがその内容は大きく異なります。
まず現場での肌感覚から。曇天続きで寒い4月、晴れて暖かく例年並みに追いついた5月、もう夏ですか?6月、比較的好天に恵まれた7月から8月中旬、鳥が襲来した8月中旬と雨続きの8月下旬(ここで病気発生。特にピノノワール)、少しずつ天候回復の9月、また夏ですか?10月上旬、ようやく秋きた10月中旬と一気に冬きた10月下旬。ヴェレゾン以降(8月中旬以降)に絞ると、2023年に比べて夜温は下がり、一安心していたものの、季節が進んでもなかなか下がりきらないなという感じでした。
月別積算温度の棒グラフ(図1)を見ると、2025年の高い積算温度は、非常に暑かった6月、7月の影響が大きく、2023年の傾向(8月、9月の高温の影響が大きかった)とは異なります。また最低気温の積算の推移(図2)をみると2023年が突出して高く、2024年、25年が中程度、2021年と22年が低めでした。気温の観点から簡単にまとめると2025年は(過去5年の中で)、非常に暑い年ではあったものの、ヴェレゾン以降はある程度夜温の下がったといえます。前半、すごく良いヴィンテージになるんじゃないかという期待が高まっていたところ、天候不順でそうそうに病気が出て最後まで保つのかなと不安になりながら、最後は天候が持ち直し、悪くない状態でブドウが収穫できたように思います。
これがワインになったとき、どのような特徴をもってくるのか、今から楽しみです。
