技術

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融雪のタイミングによる地温の違い

2024年冬から25年春にかけて、深さ10㎝における地温を測定しました。 背景として、当園の畑は東西南北すべての向きの斜面があり、また積雪深も大きく異なることから、毎年場所による融雪の進み具合が大きく違います。単純化すると南向き→西向き(夕日が当たる)→東向き(朝日が当たる)→北向きの順で雪融けが進みます。2025年春では、最初に地面が見え始めたのが4/2、完全に雪が融けたのが4/12と約10日ほど差がありました。 「雪があるうちは地温は上がらず、地面が見えてから地温が上がり始める」というのは、まあそうなんだろうなというのは感覚的に理解できます。ただ、本当にそうかを確認したいのと、雪融けの遅いところでは具体的にどの程度遅れが生じるのかを知りたいと思いました。 そこで、南向き積雪少なく融雪早い地点をP1、北向き積雪多く融雪遅い地点をP2として、深さ10cmにセンサーを設置し、温度を測定しました。使った機材は、RC-4(あるいはRC-4HC)という温度センサーとロガーです。計測は1時間ごと。正午12時を中心に前後24時間分を平均してその日の地温としました。結果は以下のとおり。 ・冬期間は緩やかな温度低下が進み、最低地温は0.5-1.0℃程度。・4/3にP1において、4/10にP2において地面が露出した。その日から地温の上昇が始まった。・融雪の早かったP1において、4/20頃まで地温が高めに推移した。それ以降はP1,P2ともに同程度温度で、同様の変化を記録した。 見事に、気持ちいいくらいに地面露出と地温上昇のタイミングが一致しました。そして、少なくとも25年春においては、意外と早く融雪遅い地点の地温が、早い地点に追いつきました。融雪剤を散布する生産者がいるので、なんとなく雪融けの最初の差が生育にも大きな影響があるのかもと思っていたので、これは予想外でした。一方で、過去3年の経験上、萌芽のタイミングでは北向きでも結構追いついているぞとも感じていて、意外と融雪の早い遅いの影響少ないのではとも考えていたので、この考えを補強してくれました。 地温が何℃になると、もっというと根が何℃になると動き始めるのか、が重要な点な気がします。仮に10℃から動き始めるのであれば、地面露出7日間の差は、ないようなもの。5℃から動き始めるのであれば、数日分の差はありそう。 あと、融雪後の天気も重要そう。天気よくて、日照により地温が急上昇するような気候なら、融雪のタイミングによる地温差は大きくなりそうです。25年は4月は天気ぐずぐずだったので、地温が低いままで融雪遅い地点の地温が追いついたともいえそうです。 なお、たった1シーズンの記録なので考える材料になれば。また、P1の方は3月-4月中旬まで異常値が多く、明らかに違う数字は除去しました。そういった面でも、数字の正確性というより推移をみるものと捉えていただければと思います。

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2023 土壌水分の変化

ここにはテンシオメーターの数値を示す(単位は-cmH2O)。数字が大きいほど乾燥。-1000cmH2Oまで乾燥するとストレスがかかると考えられている。 年月日 深さ15cm測定値-深さ30cm測定値 20230527 100-210 20230601 130-280 20230605 70-130 20230614 130-130 20230621 230-250 20232625 300-320 20230630 650-500 ここまでで1番の乾燥状態。このあと雨 20230704 140-140 20230711 440-240 20230718 120-100 20230722 300-180 20230728 640-340 20230804 780-650 深さ15cmでこのテンシオメーターの測定限界-800cmH2Oに達する。苗木には水分ストレスかかってそう(伸びが鈍くなったり、葉の緑が薄くなっている株がちらほら。)このあと多少まとまった雨

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土壌水分の変化を追ってみよう

深さ15cm、30cmにテンシオメーターを設置した。 テンシオメーターとは土壌中の水の圧力を測定する道具だ。量ではなく圧力を測るのがミソで、土壌がどれくらい強く水を握っているかを数値化する。その力が弱ければ植物は水を簡単に吸えるが、強ければ水(養分も含めて)を吸い上げるのにストレスがかかる。ストレスは気孔細胞の膨圧に影響し(ようは気孔が閉じがちになる)、CO2の吸収が減少し、結果光合成生産量が小さくなる。

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暗渠の埋設

2023年にツヴァイゲルトを新植する区画。プルーンを抜根したところ、斜面下方で水がしみだしてきて、表面に水が浮いている状態。トラクターも入れなくなりました。 そこで急遽、暗渠を埋めることにしました。

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