SNOW ROVER

「雪の産地の可能性を探査する」

SNOW ROVERとはアリマックスワインが展開するワインブランドです。ROVERは、火星を自在に走り、調べ、未知なるものに挑むMars Rover(2024年時点ではPerseveranceが探査中)からきています。世界的にも珍しい雪の産地である余市のワインの可能性を、さまざまな角度から探っていきたいという思いから名付けました。

SNOW ROVERには科学的であれという意味も持たせています。科学的ということは目の前の現象に対する誠実さと考えます。農業が相手にする自然は多様であり、一つの決まったやり方がすべてを解決することはありません。イデオロギーベースの発想ではなく、あくまで自然現象として何が起こっているのかに着目して、ブドウ栽培、ワイン醸造を行っていきたいと考えています。

SNOW ROVERのワインを飲みながら、ふと宇宙に思いをはせてくれたら、こんな幸せなことはありません。

わだちのイメージから考案されたローバー君。雪をめくり、秘密を解き明かそうとしている。
直線に配置された球は惑星配列を表している。

まずは、よいブドウをつくる

まずはなにより、病気の少ない、健全で「よいブドウ」をつくることが大切と考えます。そのためには、

  • 適切なタイミングで防除を行い、病気を防ぐこと
  • 適切なキャノピーマネジメントを行い、光合成環境を良好に保つこと
  • 栄養生長と生殖生長のバランスをとること

が有効と考えます。具体的には、混みすぎないように芽数調整や新梢管理を行ったり、房回りの葉をとって風通しをよくしたり、化学農薬や液肥を散布します(いわゆる「有機」志向ではありません)。

当たり前のことを当たり前にやることが大切だと思います。

野生酵母という遊び

発酵は、野生酵母によって行っています(乾燥酵母は基本的に使用しません)。これは、単純に自然現象として興味深いのと、ワインづくりに遊びを持たせたいからです。乾燥酵母を使用する場合に比べて失敗するリスクも高くなりますが、もしかしたら、予想もしていないような素敵なワインができる可能性もあります。どんなものができるかわからないというのが、野生酵母を使ったワインづくりの魅力だと思っています。

ブリコラージュ的発想を大切に

ブリコラージュとは「寄せ集めて自分で作る」ことで、あらかじめ設計図に基づいて物を作る「設計」とは対照的な考え方です。小規模なワイナリーでは栽培できるブドウの品種や量、またタンクなどの醸造設備も限られます。その結果、「寄せ集めてできたワイン」というものが出来上がります。この偶然性が面白いですし、大切にしたいと考えています。

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