今年試したこと、気づいたことと来年への課題(1) ピノの成熟速度のバラツキと収穫のタイミング

ピノノワールを観察していて気づいたことがいくつかあります。

  • ヴェレゾンのタイミングが株により大きく異なる。早い株と遅い株では10日から2週間ほどの差がある。
  • 収穫時、ほとんど病果がない株(エリア)と病果が多く選果に時間を要する株(エリア)がある。具体的には、斜面の上の方では比較的病果少なく、中・下方はやや多い。
  • 落葉のタイミングが異なる。具体的には、斜面の上方では落葉遅く、下方では落葉早い(11月13日時点で、中下方では半分以上落ちている。上方では7-8割残っている)

これらのことから、「株により生育ステージの進行速度(以後、成熟速度という)が異なり、病気の出方に影響しているのではないか」と推測しました。成熟速度が遅い株は、遅く開花し、遅くヴェレゾンし、果実の成熟が遅いため、酸が残りやすい、つまり病気が出にくいのではないかと。仮説です。

さて、当園の大きな課題として、ピノノワールは収穫速度が上がらないということがあります。今年に関しては平均70㎏/人・日と他の品種の1/2~1/4程度であり、収穫にかかる人件費だけで1本200円程度のコストがかかっていることになります。なので、収穫速度を上げてコストを下げたい。そのためには病果の少ない状態で収穫したい。ただ品質は維持したい(極端なことをいえば、収穫を全体的に2週間早めれば、病果は少なく、収穫も早いでしょうが、ブドウの熟度は劣ります)。

そこで、来年試してみたいこと。それは、成熟速度に応じて2つか3つのグループ(早い、中程度、遅い)に区分し、それに基づいて時期をずらして収穫することです。具体的には開花かヴェレゾン時にグループ分けし、収穫前にはそれぞれのヴィンヤードサンプルを分析して違いを見たいと思っています。はたしてどのような違いが出るのか、はたまた仮説が間違っていたのか、検証したいと思います。仮説が正しければ、糖度やや落ち、酸やや上がり、収量やや増え、収穫速度爆上がりですね。

さて、そもそも成熟速度の違いは、何に起因するのでしょうか。例えば①遺伝的な個体差、②土壌条件の違い(特に水分条件)、③地上部条件の違い(温度、日照条件など)によると考えられますが、①の影響が大きいかと個人的には思っています。それは、仮に個体差がないと想定したとき、斜面の下の方(水分が多くストレスかからず)が成熟が遅くなると推測されるが、現状は上部の方が遅いこと(②が主因ではない)、北向き斜面でも落葉がほぼ終わっている株が結構あり、斜面の向き、つまり温度や日照条件の違いによる差が顕著にみられないこと(③が主因ではない)のためです。ただ、8月下旬の多雨時に病気が発生していたのは斜面下方に多かったので、①だけで説明できるほど単純ではないだろうとも思います。

なお当園のピノノワールはクローン不明です。単一クローンの畑に比べてバラツキが大きいことも推測されますが、他の畑はどうなのか気になるところです。

遠景。正面の台形がピノノワール。下方は落葉が進んでいる
斜面下方の垣根
斜面上方の垣根

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