アリマックスは北海道余市町にある醸造用ブドウ生産農家です
アリマックスは2025年現在、醸造用ブドウを生産し、委託して製造したワインを販売しています。当農園は北海道余市町登地区にあり、栽培面積は
醸造用ブドウ: 190a(うち成木は100a)
プルーンなど: 70a
で、プルーンを醸造用ブドウに改植中です。
醸造用ブドウはピノノワール、ツヴァイゲルトそしてアルモノアール。
近年評価の高まりつつある余市町のピノノワール。園主の研修先である木村農園は余市におけるピノノワール栽培の先駆者であり、それゆえに私自身も思い入れのある品種です。
ツヴァイゲルトは北海道、特に余市町では広く栽培されている品種です。知名度はそこまで高くない品種ですが、個人的には余市の風土に合った品種ではないかと考えており、栽培面積を拡大する予定です。
アルモノアールははじめて耳にされる方も多いかと思いますが、これはツヴァイゲルトとカベルネソーヴィニヨンの交配種です。前地主さんが植えた品種で、早々に植え替えてしまおうと思っていたのですが、できたワインの評判が意外といい。これは組み合わせ次第ではおもしろいぞと考えなおしました。カベルネソーヴィニヨンの特色が強く出ているのか、とても晩熟なので北海道では挑戦的な品種ですが、それゆえに特徴あるワインができると期待しています。
なぜ余市か
1. ブドウ畑の作り出す風景
垣根式ブドウ畑の拡がりに惚れました。どこでワインブドウ作りをやるか、でひとつ決めていた基準は、産地であること。産地には技術、知識の蓄積があります。技術を習得してから始めると言うよりも、まず自分で始めて、学びながら技術を高めたかったので、すぐ近くに先生がいる産地という条件は必須でした。日本の産地といえば山梨、長野、北海道。いくつか産地を見てまわり最後にたどり着いた余市のワインブドウ畑の拡がりを見て、「ここだな」と感じました。
2. ワインブドウ専業農家の存在
専業農家がいるということは、それで生計がたつくらいしっかりとモノがとれているということです。つまり気候や土壌といった自然条件があっているに違いないと考えました。
また、専業農家なら収穫をボランティアに頼っていることはないだろうし、それをどうやってるのか知りたいと考えていました。農園に来てもらって収穫体験を楽しんでもらう、ワインを飲んで楽しんでもらうことは、全然ありですし、私自身もおもてなしできる条件が整えばやってみたいです。ただ、誤解を恐れずに言えば、収穫をボランティアに”依存”するやり方は、持続可能性が低いのではないいでしょうか。ブドウ栽培からワイン醸造にいたるまで、ちゃんと給与を支払ってなお成り立つ経営体が多数出てきてこそ、ワイン産業が発展していくと考えています(栽培、醸造における研修を否定しているわけではありません。現場で学べることは非常に多く、私自身も研修がなければ今はありません)。
では専業農家はどのようにやっているかというと、収穫期間中は雨が降ろうが雪が降ろうが、家族総出で畑に出るというシンプルなものでした。

まずは、よいブドウをつくる
まずはなにより、病気の少ない、健全で「よいブドウ」をつくることが大切と考えます。そのためには、
- 適切なタイミングで防除を行い、病虫害を防ぐこと(コントロールすること)
- 適切なキャノピーマネジメントを行い、光合成環境を良好に保つこと
- 栄養生長と生殖生長のバランスをとること
が有効と考えます。具体的には、混みすぎないように芽数調整や新梢管理を行ったり、房回りの葉をとって風通しをよくしたり、化学農薬や液肥を散布します。いわゆる「有機」志向ではありません。調べ考えた上で、「有機」的栽培よりも「慣行」的栽培の方が、社会的によいと判断し「慣行的」栽培を選択しています。(慣行という言葉が良くないですね。「今までのやり方をただ踏襲してるだけで挑戦や向上心がない」という印象を与えてる気がします)。
誤解を招きたくないので少し補足しますが、私は慣行でも有機でもいいワインは出来る、あくまで哲学やアプローチの違いだと思います。現に、私が自分のワインを認めて欲しいと思っている生産者は、有機的志向を持った方のほうが多いです(考え方違うけど敬意を抱いています)。ちゃんと、ものづくりに誠実に向き合っていて、いいワインを作ろうという共通点があれば、考え方が違っても共存し合えると信じてます。
当たり前のことを当たり前にやることが大切だと思います。
野生酵母という遊び
発酵は、野生酵母によって行っています(乾燥酵母は基本的に使用しません)。これは、単純に自然現象として興味深いのと、ワインづくりに遊びを持たせたいからです。乾燥酵母を使用する場合に比べて失敗するリスクも高くなりますが、もしかしたら、予想もしていないような素敵なワインができる可能性もあります。どんなものができるかわからないというのが、野生酵母を使ったワインづくりの魅力だと思っています。
また、補糖、補酸は(基本的には)行いません。「おいしいワイン、消費者に喜んでもらえるワインを造ること」が大前提であり、厳しい気候の年に行うことはありえます。ただ、補糖ありき、補酸ありきであるのならば、畑を体現したワイン、その年を表現したワインとはいったい何なのだろうと考えてしまいます。
ブリコラージュ的発想を大切に
ブリコラージュとは「寄せ集めて自分で作る」ことで、あらかじめ設計図に基づいて物を作る「設計」とは対照的な考え方です。小規模なワイナリーでは栽培できるブドウの品種や量、またタンクなどの醸造設備も限られます。その結果、「寄せ集めてできたワイン」というものが出来上がります。この偶然性が面白いですし、大切にしたいと考えています。
