アルモノアールでは軸枯れ症状が出ています。軸枯れ症状とは、果房のなかの軸が枯れて(黒く変色する)その先に水分が行きわたらずに枯れてしまう症状です。枯れる軸の位置によっては、例えば房の、より付け根に近いほうで症状が出た場合にはとくに、被害の度合が大きく、減収につながります。これが多く出ることが課題(1)でした。なお、この症状はツヴァイゲルトやピノノワールでは全く見られません。最初は灰カビの類かと疑いましたが、実自体は全く健全で、軸にだけ病状が出るのは不自然な気がしました(軸だけ異様に灰カビ感受性が高い可能性はありますが)。

一方、アルモノアールではつる割れ細菌病が生育初期によく見られていました。とくに、樹勢が強い株によく出る傾向があり、そのような株は房が小さく、花を振るいがちでした。つる割れ細菌病は畑全体に見られましたが、樹勢が強いアルモノアールで多いように感じました。

そこで、疑ったのは1)つる割れ細菌病の症状、あるいは2)樹勢強すぎることによるBunch Stem Necrosisの2点です。2)はカベルネソーヴィニョンに出やすいらしいので、カベルネの血が入っているアルモノアールには大いにありうる話だと考えられます。
このような前提のもと、今年は2つのことを試しました。1)アルモノアールで芽欠きを弱めにして(芽を多く残して)、樹勢をコントロールすること(弱めること)、2)つる割れ細菌病対策としてボルドー剤を散布することです。
結果は以下のとおり
- 生育初期のつる割れ細菌病は少なくなり、花ふるいもほとんどなし。房も極端に小さいものはほぼなし。
- 房の軸枯れ症状が少なくなった。
- つけた房数が多く、軸枯れが軽減されたことにより、収量は大幅増。
- 暖かい気候ゆえ、ピラジン系の香りは大幅に軽減(ほぼ感じず)、酸もかなり穏やかになった。これはこれでさみしい。
- その割に糖度は例年並み。もう少し上がってほしかった。
- 味なし果(株全体)が散見された。ひとめで味なしとわかるものもあれば、一見健全だが触ると微妙に張りがなく、食べると味がないものもあった。
残す芽数を多めにし、定期的にボルドー剤を入れる管理は、当園の肥沃な土壌で育てるアルモノアールには適しているように思われました。一方で、思ったより糖度が上がらないことについては、1)房のつけすぎで全体として糖度が上がらなかった(あるかもしれないが、収量が少なかった昨年よりも糖度上がってるし、違う気がする)、2)味なし果が混入して全体としての糖度を下げた(これはありうるが、全体を押し下げるほど混入したとも思えない)、3)そもそも上がらない品種なのでしょうがない(十分上がっている株があるので、そんなことないと信じてる)、4)散見される根頭がんしゅのせい(ありうる。いずれにしても近いうちに改植するか)、などが考えられます。
上記をふまえ、2026年は、芽数を多く残す(ただし、25年よりは少なく、その3/4~4/5程度を目安)、ボルドー剤を散布する、味なし果の選別を徹底する、をやろうと思っています。
